活動施策



アガリクスの栽培 第6回


みなさま、こんにちは!
前回、ようやくアガリクスが収穫時期となりました。
アガリクスの品質を一定に保つため、収穫担当者は片時も目を離せません。

・収穫工程
さあ、収穫の開始です!

写真16.収穫中
写真16.収穫中

・洗浄工程
収穫されたアガリクスを一本ずつ浄水で丁寧に洗います。

写真16.収穫中
写真17.洗浄

・乾燥工程
アガリクスはたくさんの酵素が含まれており、時間が経つと自己消化を始めます。
乾燥時間を短縮するため、また乾燥アガリクスの形態を粉末状、粒状、エキス状にしやすくするためにアガリクスをカットします。

カット後、セイロに並べて乾燥をします。 乾燥方法には「天日乾燥」,「熱風乾燥」,「常温乾燥」,「真空低温乾燥」などがあり、その後の加工や目的によって相応しい方法を用います。

写真18.乾燥前   写真19.乾燥後
写真18.乾燥前   写真19.乾燥後

さて、ここまでご覧いただきましたような工程を経て、製品の原料となるアガリクス子実体の栽培を行うわけですが、せっかくですので、アガリクスを収穫したあとの培地(廃培地)がどのように処理されるのかまでご説明します。

産業廃棄物処理や公害の問題があり、モノを作るときには、必ず排出される産廃物(副産物)をどうするのかを考えなければなりません。

アガリクスの栽培でも同様です。
ところが、アガリクスの栽培において発生する廃培地は立派な資源となるのです。
人々の健康を願ってアガリクスを栽培しても、その一方で、取り返しのつかない環境破壊や公害を招いては、本末転倒です。

アガリクス子実体を収穫したあとの廃培地を追ってみましょう。

写真20.収穫後の廃培地
写真20.収穫後の廃培地

写真21.廃培地を破砕
写真21.廃培地を破砕

写真22.堆肥の作製
写真22.堆肥の作製

培地の原料となっているのは、厳しい規格基準のもとで管理された広葉樹のオガクズや米ぬか、フスマなどです。栽培前後において農薬や薬剤等は一切使用していませんので、これほど安全な土壌素材はめったにありません。
農業従事者にとってはまさに「宝の山」というわけです。

※なお廃培地を堆肥化するためには所轄の都道府県庁に『特殊肥料生産業者届』を提出する必要があります。

写真23.セリ科植物の試験栽培
写真23.セリ科植物の試験栽培

左:市販培養土のみ
中央:アガリクス栽培後の廃培地を堆肥化し、培養土に加えたもの
(培養土:堆肥=4:1)
右:市販有機肥料を指定にしたがって培養土に加えたもの

(第6回終わり)


今回で『アガリクスの栽培』を終了しますが、アガリクス製品にはここで解説した「子実体」を原料素材にしたもののほか、「菌糸体」を利用したものもあります。 次回は番外編として「菌糸体」の概略について述べたいと思います。

<アガリクスの話>

・アガリクスの栽培 第1回
・アガリクスの栽培 第2回
・アガリクスの栽培 第3回
・アガリクスの栽培 第4回
・アガリクスの栽培 第5回
・アガリクスの栽培 第6回
・アガリクスの栽培 第7回